オーストラリアでは、小学生の約7割以上が公立小学校に通っています。西オーストラリアの義務教育は、小学校準備教育学年が1年間、小学校が6年間、中学と高校が一貫教育で6年間の合計13年間です。

公立小学校は何歳から?

公立小学校は、小学校準備教育の1年間と、Year 1(小学1年生)からYear 6(小学6年生)までの6年間で、合計7年間が義務教育期間です。

入学の際の対象年齢は、Pre-Primary(プリ・プライマリー:小学校準備教育学年)が4歳半~5歳半、1年生が5歳半~6歳半、2年生が6歳半~7歳半、3年生が7歳半~8歳半、4年生が8歳半~9歳半、5年生が9歳半~10歳半、6年生が10歳半~11歳半までです。

日本の小学校の場合、1年生の入学年齢は7歳が基準で、入学時の4月~終了の翌年3月までに7歳になる児童が対象(入学時には6歳~7歳、終了時には全員7歳)になりますが、パースの場合は、Year 1(1年生)の入学年齢は6歳が基準で、学年開始の前年の7月~学年開始当年の6月までに6歳になる児童が対象なので、Year 1入学時の児童の年齢は5歳~6歳、終了時は6歳~7歳になります。

新学期はいつから?

新学期は毎年2月から始まって、12月に終わります。1学年は、大きく分けると2学期(セメスタ)制です。さらに1学期は前半タームと後半タームの2タームに分けられているので、1年間に4タームあることになります。

1タームは約10週間で、各タームは、通常、2月、5月、7月、10月に始まります。また、タームの間には2週間の休みがあって、学年終了の12月中旬から翌年の新学期2月までは、約1ヵ月半の夏休みになります。

どんなカリキュラム?

K-10と呼ばれる教育省のシラバスでは、大きく分けて、アート、国語(英語)、保健体育、外国語、算数、科学、社会と環境、技術と開発の8つの分野を教えるようになっています。8つの分野をさらに細かく分けると次のような内容になります。

アート

ダンス、ドラマ(演劇)、メディア、音楽、ビジュアル・アートなど

国語(英語)

リスニングとスピーキング、リーディング、ライティング、ビューイング(絵本、映画、ドラマ、インターネット、電子書籍、ゲーム、絵画などの教材を使って視覚能力を養う)など

保健体育

ライフスタイルのスキルと選択、健康、発育、薬物教育、安全、ゲーム、健康的なフィットネスとレクリエーション、スポーツなど

外国語

中国語、フランス語、ドイツ語、インドネシア語、イタリア語、日本語のいずれかを学びます。どの言語を教えるかは、各小学校によって違いますが、Year 3から必ず外国語を1つは教えることになっていて、多くの小学校では、既に Pre-Primary(小学校準備教育学年)あるいはYear 1から外国語教育を取り入れています。また、小学校によっては、高学年時に2つ目の外国語を選択できるところもあります。

算数

数的価値、数学的な考え、数字、計量、見込みとデータ、空間、代数

科学

調査、科学的コミュニケーション、日常の科学、責任を持つ行動、社会の科学、地球、エネルギーと変化、生活と暮らし、自然物質と加工物質

社会と環境

調査・伝達・参加、場所と空間、資源、文化、時代・継続・変化、自然と社会体制、積極的な市民

技術と開発

家庭科、デザインとテクノロジー、ビジネス教育、IT、農業

カリキュラムは、大きく、低学年(Year 3まで)用と高学年(Year 4-6)用に分かれていて、例えば、Year 4(4年生)で必ず学ばないといけない、という規定がないので、Year 4~Year 6の間に一定のカリキュラムを消化すればよいことになっています。個人の能力に合わせて勉強できるので、才能がある子供は飛び級や飛び科目などが認められることもあります。

1クラスは何人?

小学校準備教育学年のPre-Primaryは、1クラス最高25人まで、Year 1(1年生)~Year 3(3年生)までは最高24人まで、Year 4(4年生)~Year 6(6年生)までは最高30人までと決められています。また、多くの場合、担任のほかにアシスタント教師が1人(時には2人)がつくので、教師と児童の割合で言うとかなりの少人数制と言えます。

小学校の児童総数は、多いところで400人程度、少ないところでは150人程度で、都市の中心部では小規模から中規模、郊外では広範囲の地域に1校という割合のせいか、児童数も比較的多い傾向にあるようです。

それから、一般的には、1クラスは学年ごとに分けられますが、定員割れの場合には複式学級になる場合もあります。また、複式学級のほうが教育的にも社会的にも有利だという見解から、州のフレキシブルなカリキュラムを生かして、複式学級を積極的に取り入れている学校もあります。

宿題はある?

どのくらいの頻度で宿題を与えるかは、各学校によって違います。例えば、ある学校の規定では、宿題をする時間は、Pre-Primary(小学校準備学年)はゼロ、Year 1(1年生は)15分程度、Year 2(2年生)~Year 3(3年生)は20~30分程度、Year 4(4年生)~Year 5(5年生)は最高30分まで、Year 6(6年生)は最高60分までと決まっています。

ただ、決まっているからといって、必ず宿題があるわけではなくて、もし、宿題が出る場合には、規定の時間内で終わるように、教師のほうで宿題の量を調節する必要があるということです。

例えば、低学年時は、毎日、本読みやスペル練習、単語の発音練習とか、時間的にはそんなにかからないものばかりで、少量のタスクをこなしていくプリント学習が中心だったり、高学年では、課題やプリント学習の宿題は減るものの、リサーチや発表の準備など、自分で考えてやっていくものが徐々に増えていく、という感じです。